「天日坊」 コクーン歌舞伎

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「天日坊」シアターコクーン

河竹黙阿弥作品 原作
宮藤官九郎 脚本
串田和美 演出と美術

江戸時代の将軍家ご落胤騒動「天一坊事件」を元に時代を鎌倉に移した黙阿弥作品。

原作はそれはそれは長いーーーお話でとても読む気になれません。
クドカン流にアレンジされてみたらこれがびっくり、面白い。

ドラムやトランペットの生演奏が身体に響き飲み込まれる舞台になりました。

コクーン歌舞伎は座席数が少ないのでチケットが高いんですが十分価値のある舞台でした。

一階、中二階、二階、と分かれていて私が座ったのは実質3階の後ろから2番目。ソレでも一等席という理不尽さ!
1等平場席 12,500円
1等椅子席 12,500円
2等席 9,000円
3等席 5,000円

2等3等がいかに少ないか。



勘三郎が病に倒れた効果なのか勘九郎に凄みが出て、七ちゃんの狂言回しも達者なものでした。七ちゃんホント足が綺麗(チラリズムで男を迷わせる)

配役は
            法策 後に 天日坊  中村 勘九郎
                人丸お六  中村 七之助
                猫間光義  市村 萬次郎
            お三婆/赤星大八  片岡 亀 蔵
                北條時貞  坂東 巳之助
              傾城高窓太夫  坂東 新 悟
               越前の平蔵  近藤 公 園
            観音院/鳴澤隼人  真那胡 敬二
                  久助  白井   晃
                地雷太郎  中村 獅 童

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さて幕が開いて先ずは化け猫退治。

(木曽義仲が将軍・源頼朝の命令によって討たれた後、都で化け猫騒動が起こる。義仲に娘を嫁がせていた猫間中納言が謀反の疑いを掛けられ自害、その怨霊が帝の愛猫に乗り移っていた)

この猫がどでかくて観客をギョッとさせるがコミカルな猫で少しも怖くはない。この化猫退治に呼ばれたのが修験者 観音院とその弟子法策(主人公・勘九郎)と弓の巧者 時貞。でも時貞はまだ現れない。

「時貞はまだか!」
「遅刻です」
「遅刻ぅ?(咳払いし威厳をただし)なにゆえ遅参いたしておる」
「遅刻です」「はい。ただの遅刻です」「多分寝坊」
「マジかよ!」

化け猫にとてもかなわず観音院が飲み込まれ、遅刻した時貞があっさりやっつけると、化け猫の腹から小さくなった観音院が。(お人形)湯につけると元の大きさに戻る。

もう、でだしは大笑い。褒美に貰った300両を持って家に戻り、お三婆(亀蔵)のありえないノロさと観音院のやり取りや突然飛び込んできて「お助けくださいませ」と七之助がチラリズムで観音院を篭絡し弟子や下男を追い出すとこまではコメディでした。


法策は、雪の中、お三婆さんに酒と食い物を持ってきて昔話をされ、お三婆さんの孫が将軍のご落胤、それも証拠の品有りと知って、孤児の自分と引き比べ、すまねええと泣きながらお三婆さんを縊り殺して証拠の品を持って逃げます。

ここがすごいとこで、それまで気弱で真面目で師匠の言うことはなんでもよく聞き、下男の久助(白井 晃)を兄のように思い、孤児の自分を恥じていた法策が心中「なんでそんな話を俺にするんだよ!聞いたらやるしかねえだろう」と自分を育ててくれたお三婆さんを殺してしまう。トランペットが鳴り響き、法策の運命が回り始めました。

いや面白かった。粗ずじを全部書いちゃうとこれから見る人に悪いので書きませんが、新吾は背が高いのでほっそりと美しい姿に見え、また声がいい。

どんな場面も亀蔵さんが出てくるとピシャリと「歌舞伎」になるなぁ。

リビングデッドのコンビは流石だ。


串田和美さんもこれだけ「空っぽの肉袋」の役者が揃って、それにせっせと役を詰め込むのは楽しかっただろうなぁ。

トランペット6人(舞台に出ます)エレキギターにパーカッション、ドラム。
迫力のある音楽に乗って「俺は誰だあっ!」を問う舞台でした。

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