八月花形歌舞伎 2012年8月

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■桜姫東文章
長谷寺の僧清玄(愛之助)は稚児白菊丸(福助)と心中しようとして自分だけ怖くなって死ねず、白菊丸は桜姫に生まれ変わる。桜姫はお家の重宝を盗み出した権助(海老蔵)に手篭めにされて子供を生む。清玄は白菊丸の生まれ変わりの桜姫に執心し、桜姫に殺される。その後再会した権助と駆け落ちして桜姫は女郎になり、めぐり合わせで手元に実の子が戻る。酔った権助からお家の重宝を見せられ、父と弟を殺した仇とわかり、亭主権助と我が子を殺して重宝を取り返しお家を再興してめでたしめでたし。という歌舞伎の中でもありえない設定の無茶苦茶なストーリーである。

愛之助はほんとに坊主がよく似合う。海老蔵はちょっと抜けたところのある悪い男(色悪)を演らせると天下一品である。(余談だがほんとうに悪い男を演らせるとぞくぞくするくらい魅力があるのが菊之助)

福ちゃんの桜姫はお姫様にしてはちょっとHに弱くて流されやすく可愛く、しかも思い切りがいい。こんな無茶なお話でもリアリティがあるから不思議。


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■伊達の十役

エビちゃんの伊達の十役。早替りの見世物だが昔ながらのやり方で何時替わるのかまるわかり。
今の時代なのだからマジシャンの演出を入れてもっと鮮やかにやってもいいのではないか。ただめまぐるしく人が替わるのでアラスジを聞かせられているようで、物語に入り込めない。

足利頼兼役はちょっと頭の弱いバカ殿様で良かった。
「殿の御前でなければ切り捨てるものを」と家来が言うと
「苦しゅうない、切り捨てよ」

おいおい。

次の先代萩では乳人政岡ですが・・・すいません寝ました。うつらうつら。
ままたきは鬼門だわ。
それにしても若い頃はそれは美しい女形を演ったのに、妻と子ができると女形は無理なのか随分男っぽい政岡でした。

妖術で鼠に姿を変えていた弾正(エビちゃん)が、悠々と宙空を飛び去って行く宙乗りは腰から上微動だにせず実に威風堂々と空を登って行く形で見惚れました。

ただなんとなく全体としては「エビちゃんのおさらいの会」を見せられているようで、やっぱりまだ上手い先輩たちと絡んだ方がよさそうです。
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