大泉洋主演 三谷幸喜演出  「ドレッサー」 感想 

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セリフが多いとは聞いていたけど「大泉洋」喋り倒しました。

おもしろかった。一瞬もあきませんでした。チケット代は無駄じゃなかった。

イギリスのシェークスピア俳優とその付き人ドレッサーが主人公。

自信がなくなり出たくない大俳優をなだめすかし、なんとか舞台に出そうとする「ドレッサー」付き人の話です。

いやまあ充分楽しめた。

最初の20分は大泉洋のファンだけに彼を見てるだけでした。橋爪功さんは勿論名優です、囁くような声まで胸に響きました。
ただ、次々と舞台を決めておられるようで心配です。緒形拳さんがそうだった。
どうして俳優は最期まであがいてとにかく死ぬまで舞台・映像にでようとするのか。勘弁して下さい。死なないでくださいね。頼みますよ。
女優陣も抑えた演技で素晴らしく完璧な出来でした。

素晴らしい舞台でした。










でも欲を言えば。前半大泉さんは一途で献身的で、しかも周りからは報われない付き人役で、後半はあまりに報われないことに憤りを覚える・・・。その悲しみと憤りはわかる。でも愛は報われることを前提とはしてないから彼は救われない。あんまりただただ献身的な良い人で、嫌味が足りない気がしました。もっとねちっこく嫌なやつが似あうのにな。

「友人の話」として語られる自分のエピソードも自画自賛っぽくしつこくても良かったかな。まぁ原作に忠実にが演出の意図だったようなので、もったいなかった。

前半は完全なオカマでくねくねして、座長をスポイルし、座長には一途で献身的で、他者に対しては、もっと「彼を理解してるのは自分だけだから邪魔はするな!」と座長を孤立させるくらい厭味ったらしく不遜な嫌な男でやって欲しかったかな。

前半オカマで、後半は「育ちの悪いチンピラ」なんだと素に戻った男になって暴力的になるともっとメリハリがついてノーマンの狂気が出たような気が・・・。

ラストも座長を思って嘆き、自分の哀れさにやりきれすピエロの歌を歌って終わりました。が。

そこからノーマン(大泉洋)の回想のように、一枚薄布でもかけた舞台で、座長の表の舞台(この劇はずっと裏舞台なので、表が見たかった)リア王でもそれ以外でいいから良いシーンで、例えば橋爪功が「戦え!戦って生き延びるんだ」の台詞でエンドにすると、終わった~~~とカタルシスが得られたのになぁ。
最後「えっ?これでおしまい?」っと終わったのが残念でした。ラストってやっぱり「あぁ終わった~~」ってわかるのがいいよねぇ。

まぁ再演を繰り返してもっと素晴らしくなっていきそうな舞台でした。

ノーマン役は大泉洋さんにぴったりのキャスティングで、橋爪さんも女優陣も素晴らしい出来で、舞台も照明も文句なく!


そうね、後は演出家を変えるだけかな。





あぁ!私は三谷さんのファンなんですよ。勿論これからも観に行きます。
ただ今回はちょっと「優等生」風味が過ぎたかな。


追記 座長が死んでからノーマンが酒を浴びるように飲むんですが・・・その飲み方が素晴らしいのか何なのか・・・ホントにウイスキーが飲みたくなって困りました。普段飲まないのに。


帰りに世田谷パブリックシアターから246を渋谷に戻るように1キロほど歩いて久しぶりに「新記」でつゆなし香港麺を食べました。ここはハズレのないお店でオススメです。にゅうなんふぁん(牛ばら肉の煮込みぶっかけ飯)も本格的。三茶と池尻の真ん中くらいなのでこんなことがないと行きにくいのです。

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